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社会保険労務士と好相性なダブルライセンス!次に取る資格はどれが良い?おすすめ関連資格をズバリ解説!

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社会保険労務士と好相性なダブルライセンス、次に取る資格はどれが良い

複数の資格を併せ持つ「ダブルライセンス」で、効果的なスキルアップビジネスの拡大を図る事が可能です。みなさん資格取得の手軽さや、相乗効果が高い資格(社労士関連資格)をお探しの事と思います。

本記事では社労士と相性の良い関連資格を徹底リサーチし、難易度・社労士との相性・試験範囲の重複度の3つの観点から判定して、おすすめの組み合わせをランキング形式でご紹介しています。

また、既に他の資格を持っておられ、次に取るもう1つの資格として社労士に狙いをつけている方も、ご自身の持っている資格と社労士の相性が良いのかチェックにご活用頂けると思いますので、是非ご一読頂ければと思います。

効果的な資格取得戦略とは?

効果的な資格取得戦略を考える

ダブルライセンスによる資格取得の戦略(方向性)は、大きく2種類に大別する事が出来ますので、具体的な資格をチェックする前に整理しておきましょう。

1つは社労士の資格を純粋強化して専門性を高める戦略と、もう1つは社労士の資格と相性の良い法律系資格を組み合わせて、仕事の幅を広げる戦略となります。

社労士の専門性を強化する戦略

社労士と言えば人事・労務の専門家であり、代表的なものとして給与計算や社会保険の手続と言った仕事が思い浮かぶかもしれませんが、人事・労務を広く捉えると労働環境の複雑化・多様化によって、以下の通り仕事の幅は広くなっています。

今時の新しい人事・労務の仕事
  • 社員のメンタルヘルス
  • 社員の評価やキャリアパス
  • 労働環境や衛生上の問題
  • 個人情報保護
  • コンプライアンス

これらはどれも会社にとってデリケートかつ重要な課題であり、人事・労務にカテゴライズされる仕事の一環です。そのため、どこかの企業に所属する勤務型社労士の場合ですと、ほぼ確実に対応を迫られる事になるでしょう。

また、独立開業型社労士の場合でも、顧問契約している会社(顧客)からコンサルタントとして相談・アドバイスを求められる事も多くなります。そんな時「専門外なので・・・」では、ビジネスチャンスを取りこぼしてしまう事になります。

一例を挙げると、社員のメンタルヘルスの課題に対しては「社労士」に加えて「メンタルヘルス・マネジメント」の組み合わせが推奨されます。これで会社のメンタルヘルスの潜在的な課題に切り込んだ具体的な対策・提案が可能となります。

人事・労務分野の資格をプラスで併せ持つ事は、勤務型社労士としての転職・就職としては有利に働くのはもちろんですし、顧客に対して社労士の肩書以上のものをリターンとして返す事が可能となりますから、独立開業型社労士としても競合他者との差別化を図る事が可能です。

社労士の職域を広げる戦略

本戦略では社労士とは異なる法律系資格をダブルライセンスします。異なる法律系資格から社労士の職域へ顧客を流す、あるいは社労士から他の法律系資格の職域へ顧客を流す事で、仕事の幅を広げて収益の拡大を狙います。

そのため、仕事の流れとして自然に顧客を流す事が出来る資格同士の「職域の近さ」は最重要と言えるでしょう。

本戦略は、対象顧客の幅が広がるので単純に爆発力や安定感は大きいのですが、どっちつかずになる事が懸念されます。また、片方の資格でビジネスが上手く回らなくなった時の保険と捉えられがちですが、決してそうではありません。

職域を広げる戦略は、両資格の強みや相性の良さがブレンドされて、より多くのビジネスチャンスを獲得するための手段ですから、新米社労士の方や社労士事務所立ち上げ間もない方は、まず本筋である社労士としてのスキルやコンサルティング能力の向上を念頭に置いたほうが良いでしょう。

逆に社労士の仕事も板についてきた中堅の方は、ビジネスやスキルを次のステージに引き上げるタイミングで検討に値する戦略となります。

本記事では戦略別に2種類に分けておすすめの資格を掲載しておりますので、今の貴方に必要だと思う資格取得戦略を念頭に置いて、情報を閲覧して頂ければスムーズです。

まずは、専門性を強化するダブルライセンスからランキング形式でご紹介します。

中小企業診断士

社労士+中小企業診断士のダブルライセンス

資格の特徴を5段階評価

  • 社労士との相性:
  • お手軽度   :
  • 試験内容の相性:
  • 得意とするコンサルティングは、社労士の3号業務と相性が良い
  • 中小企業という大多数を占める広い市場が顧客に

企業コンサルティングのプロ

中小企業診断士は、企業の経営状態を分析・診断して経営的な視点でコンサルティングを行う専門資格です。みなさんがお住まいの地域の商工会議所では、中小企業診断士が中小企業の経営者の相談に日々活躍しています。

昨今、社労士の独占業務である1・2号業務では他者と差別化を図る事が困難になって来た事を背景に、活躍の場が3号業務(コンサルティング)にシフトしている実情があります。

社労士は3号業務として企業の人事・労務に関するコンサルティングを行う事は当然可能です。しかし、法律的な知識はあっても問題解決力に乏しいと言った様に、社労士によってコンサルの質に差が出てしまう実情があります。

これは、社会保険労務士の資格試験の範囲では経営視点の内容が乏しく、ノウハウを得るのが難しい所から来ていると言えるでしょう。

中小企業診断士は経営課題を分析してコンサルティングを行なうノウハウ(スキーム)を得る事が可能な資格です。そのため社労士単独よりも経営目線の説得力を持った提案が出来ますので、経営者にとって非常に魅力的です。

社労士として3号業務(コンサルティング)で他者と差別化を図る場合、中小企業診断士とのダブルライセンスは非常に強力な武器になります。会社の経営に深く関与して改善提案を行う事が可能ですので、経営層と深い繋がりを持つ事が出来る点も集客の面から優位性があります。

日本は9割以上が中小企業となりますので、潜在的な顧客の数は多く、特色を出せば他者と競合する可能性が低くなりますので、生き残れる可能性がグッと高くなるでしょう。

中小企業診断士の試験情報

■1次試験(択一式)の合格率
開催年度 受験者 合格者 合格率
2016年 13,605人 2,404人 17.7%
2017年 14,343人 3,106人 21.7%
2018年 16,434人 3,236人 21.7%
■2次試験(筆記・口述)の合格率
開催年度 受験者 合格者(筆記) 合格者(口述) 合格率
2016年 4,394人 842人 842人 19.2%
2017年 4,279人 830人 828人 19.4%
2018年 4,978人 906人 905人 18.8%

中小企業診断士の試験は、1次試験(択一式)、2次試験(筆記・口述)の2段階方式の試験です。1・2次試験を個々に見た場合概ね20%程度の合格率ですが、1・2次試験の同時合格率は数%程度にまで落ち込みますので、難関資格と言って良いでしょう。

1次試験は総点数の60%以上で合格ですが、40%未満の科目があると不合格になる足切り制度がありますので、苦手科目を作らない事が重要です。60%以上得点した科目は翌々年まで持ち越し可能な免除制度がありますので、上手く活用する事が求められます。

2次試験の筆記も総点数の60%以上で合格ですが、こちらも同様に40%未満の科目は不合格となる足切りが存在しています。口述試験は60%以上で合格となりますが、筆記を通過した方は99%以上の確率で合格されています。

■1次試験の出題内容
出題科目 出題内容 出題数(目安)
A.経済学・経済政策 マクロ経済とミクロ経済の知識が問われます。経済動向を把握し、経営戦略を立案するためには経済学的な考え方が必要です。 25問
B.財務・会計 財務会計の知識、財務諸表による企業の現状把握や問題点の抽出等の経営分析。 25問
C.企業経営理論 経営戦略論・組織論・マーケティング論についての知識が問われます。 41問
D.運営管理 工場や店舗における生産管理と店舗・販売管理等、現場の生産に関わるオペレーション管理の知識が問われます。 45問
E.経営法務 中小企業経営者に助言を行う際、企業経営に関係する法律的な知識や、諸制度・手続等に関する実務的な知識が問われます。 25問
F.経営情報システム 経営における情報システムの活用を促進するため、情報システムの基本知識と、経営に活用できる技術が問われます。 25問
G.中小企業経営・政策 中小企業白書の内容から出題される中小企業の経営の動向や課題、及び中小企業向けの国や地方自治体の各種政策から出題されます。 42問
■2次試験(筆記)の出題内容
出題科目 出題内容 出題数(目安)
組織・人事(事例Ⅰ) 組織再編や組織改革による組織力の強化や人事施策による労働生産性の向上等を図るための戦略が問われます。 5問
マーケティング・流通(事例Ⅱ) 設定された事例企業が置かれた状況をマーケティング論の観点から分析し、今後の戦略が問われます。 4問
生産・技術(事例Ⅲ) 生産性や技術力の向上・活用を図る戦略が問われます。製造業寄りの傾向が強いのが特徴です。 4問
財務・会計(事例Ⅳ) 財務・会計を中心とした経営分析及びの戦略立案が問われます。財務諸表を事例として経営分析を行います。 4問

学習内容的に出題範囲が重複していないので「有利」とまでは言えず、「E.経営法務」の分野で法律的な知識が応用出来ると言った程度かと思います。しかし、社労士の知識の下地は、コンサルメインの中小企業診断士の学習への移行をスムーズにしてくれるメリットは十分あると感じます。

出題内容的に会社の経営課題の分析・解析・提案に特化しており、実例を用いた実践的な出題もなされますから、どの様に課題にアプローチしてゆけばよいのかを具体的に学ぶ事が出来る大変有益な資格です。

経営者が求めているのは手続きや決まりきった仕事ではなく、経営に切り込んだアドバイスです。社労士としてコンサルティングをビジネスの柱に据えたいという方は、中小企業診断士の資格の学習をしておくだけでもずいぶん違って来ると思います。

メンタルヘルス・マネジメント

社労士+メンタルヘルス・マネジメントのダブルライセンス

資格の特徴を5段階評価

  • 社労士との相性:
  • お手軽度 Ⅲ種:
  • お手軽度 Ⅱ種:
  • お手軽度 Ⅰ種:
  • 試験内容の相性:
  • 人事・労務分野の資格のため、社労士の仕事と相性が良い
  • メンタルヘルスを対象とした旬の資格で高需要

健康経営のためのメンタルヘルス専門資格

コンプライアンスの強化・過酷な成果主義・コスト圧縮による人員削減などによるストレスから、うつ病や適応障害と言った精神疾患を発病してしまう方が増えています。これは、国際競走の激化に伴って今までの日本人の働き方が大きく変わってしまったからだと思います。

メンタル(精神)に不調を訴える従業員は年々増加傾向にあり、精神障害による労災の申請件数も増加の一途をたどっています。メンタルヘルス・マネジメント検定では、職場内のメンタルヘルスケアに関する知識や対処方法を習得出来ます。

一昔前は「飲みに連れて行ってやればOK!」的な根性論で片付けられていたメンタルヘルス問題ですが、メンタルヘルスの悪化は「生産性の低下、労働力の喪失、対外的イメージダウン」などを引き起こす要因ですから、会社経営上のリスクの観点で人事・労務上の1つの課題として取り組むべき問題です。

決して「メンタルヘルスの問題だけは人事・労務とは別」と割り切る事は出来ないわけですね。そのため人事・労務の専門家である社労士の仕事に密接に関連します。

社労士は人事・労務上の相談の一環として、メンタルヘルス計画の相談を受ける事も多くなります。「専門機関はどこか?」「従業員への教育はどうすれば良いのか?」「相談体制はどう構築するのか?」と言った相談に対して、メンタルヘルス・マネジメント資格があれば適切な対応が可能です。

本資格が注目を集めたのは、時代的な背景だけでなく2015年12月1日から義務化されたストレスチェック制度による所が大きく、現在進行系で「旬」な検定資格ですから、注目度もあり会社から求めれられる資格と言えるでしょう。

メンタルヘルス・マネジメントの試験情報

■Ⅲ種(セルフケアコース)の合格率
開催年度 受験者 合格者 合格率
2018年11月 4,528人 3,870人 85.5%
2018年03月 4,352人 3,350人 77.0%
2017年11月 3,944人 2,986人 75.7%
2017年03月 4,209人 3,367人 80.0%
2016年11月 4,473人 3,495人 78.1%
2016年03月 4,408人 3,627人 82.3%
■Ⅱ種(ラインケアコース)の合格率
開催年度 受験者 合格者 合格率
2018年11月 8,937人 5,816人 65.1%
2018年03月 9,430人 7,236人 76.7%
2017年11月 8,481人 4,333人 51.1%
2017年03月 9,607人 6,521人 67.9%
2016年11月 9,601人 4,733人 49.3%
2016年03月 9,165人 5,003人 54.6%
■Ⅰ種(マスターコース)
開催年度 受験者 合格者 合格率
2018年11月 1,642人 332人 20.2%
2017年11月 1,634人 306人 18.7%
2016年11月 1,610人 296人 18.4%

Ⅲ種・Ⅱ種は合格率的にもそれほど高難易度ではなく、年複数回開催なのでチャレンジしやすい資格検定です。学歴・年齢・性別・国籍に制限もなく、いきなりⅡ種を受ける事も可能です。

Ⅰ種は会社経営層をターゲットとした等級なため20%前後の合格率と難易度は高めに見えますが、基本的に公式のテキスト(大阪商工会議所)に沿った出題内容となりますので、反復学習が得点に結び付きやすい比較的素直な部類の試験内容ですから、諦めない姿勢が大切です。

■Ⅲ種(セルフケアコース)の試験内容
対象 到達目標 配点 合格基準
一般社員 自らのストレスの状況・状態を把握することにより不調に早期に気づき、自らケアを行い、必要であれば助けを求めることができる。 選択問題:100点 70点以上の得点
■Ⅱ種(ラインケアコース)の試験内容
対象 到達目標 配点 合格基準
管理監督者(管理職) 部下が不調に陥らないよう普段から配慮するとともに、部下に不調が見受けられた場合には安全配慮義務に則った対応を行うことができる。 選択問題:100点 70点以上の得点
■Ⅰ種(マスターコース)の試験内容
対象 到達目標 配点 合格基準
人事労務管理スタッフ・経営幹部 自社の人事戦略・方針を踏まえたうえで、メンタルヘルスケア計画、産業保健スタッフや他の専門機関との連携、従業員への教育・研修等に関する企画・立案・実施ができる。 ①選択問題 100点
②論述問題 50点
①②の得点の合計が105点以上。但し、論述問題の得点が25点以上。

社労士の試験範囲との重複は、労働安全衛生法に触れる点が挙げられるでしょう。Ⅲ種 → Ⅰ種とグレードアップするに連れて法律的な観点が入ってくるので、メンタルヘルス・マネジメント → 社労士へのステップアップも王道的なキャリアパスとなります。

勤務型社労士の場合は、まずは管理職をターゲットとしたⅡ種を目標に据えれば良いと思います。独立開業型社労士の場合、経営視点でメンタルヘルスの課題を捉える事が出来る、経営層向けのⅠ種の取得が推奨と言えます。

メンタルヘルス・マネジメント検定資格は、人事・労務管理にカテゴライズされる検定資格なので、社労士の資格を純粋強化する有効な組み合わせとなります。

キャリアコンサルタント

社労士+キャリアコンサルタントのダブルライセンス

資格の特徴を5段階評価

  • 社労士との相性:
  • お手軽度   :
  • 試験内容の相性:
  • 社労士の「人事」分野の仕事と親和性が非常に高い
  • 雇用範囲の拡大に伴い、大きなビジネスチャンスの可能性を秘める資格

社員のキャリアパスを指導・助言

近年の会社内でのキャリアというものは、昔と違って「将来的に課長・部長等の肩書が付けば良し!」という大雑把なものではなくなっています。

「技術を極めた専門職を目指したい」「マネジメントのプロになりたい」「営業を極めたい」「育児・介護と仕事を両立したい」と言った、社員1人1人が思い描くキャリアがあり、それらが尊重される時代になったと言えるでしょう。

キャリアコンサルタントは社員の適正や能力を分析し、ぴったりハマる仕事を探すお手伝いをしたり、仕事と生活の設計に関する助言や指導を行なう専門家となりますから、資格を持っていると社労士の仕事の傍ら社員のキャリアの相談も受ける事が可能です。

とまあ、会社の人事の仕事として両資格の相性は大変良いのですが、これはダブルライセンスの上辺のメリットに過ぎず、もうひとつ別の側面があります。

社労士の仕事をしていれば、会社側が思い描く人事戦略の方向性が見えるので、社労士(会社)キャリアコンサルタント(社員)両者の立場で、会社と社員双方にメリットのある提案が可能となります。

この点が、社労士とキャリアコンサルタントのダブルライセンスの本質的な強みではないでしょうか。

日本の喫緊の課題として、氷河期世代の再就職問題、引きこもりの増加、失業者の増加などを背景に企業に対しても積極雇用を促進する流れにあり、法改正など大きな変動が予想されます。

雇用者の範囲拡大に伴い、キャリアコンサルタント資格は今後大きなビジネスチャンスになる可能性を秘めたダブルライセンスと言えるでしょう。

キャリアコンサルタントは登録制の名称独占資格となりますから、無資格でキャリアコンサルタントを名乗った場合には罰せられます。そのため、資格の権威性も高いと言えるでしょう。

キャリアコンサルタントの試験情報

■日本キャリア開発協会(JCDA)の合格率
開催年/開催回 試験区分 受験者 合格者 合格率
2018年/第9回 学科 1,366人 439人 32.1%
実技 1,098人 745人 67.9%
2018年/第10回 学科 1,846人 1,161人 62.9%
実技 1,317人 865人 65.7%
2019年/第11回 学科 1,919人 1,203人 62.7%
実技 1,636人 1,213人 74.1%
■キャリアコンサルティング協議会の合格率
開催年/開催回 試験区分 受験者 合格者 合格率
2018年/第9回 学科 1,359人 392人 28.8%
実技 1,297人 879人 67.8%
2018年/第10回 学科 2,240人 1,464人 65.4%
実技 1,800人 1,320人 73.3%
2019年/第11回 学科 1,896人 1,185人 62.5%
実技 1,640人 1,235人 75.3%

キャリアコンサルタントの試験は「日本キャリア開発協会(JCDA)」と「キャリアコンサルティング協議会」の2つの団体が開催しています。直近の結果ですと両団体の合格率に大きな違いは見られません。

両団体で学科試験の内容は同じなのですが、実技試験は実践的なロールプレイや口頭試問となりますので、両団体で評価基準に違いがありますから、資格講座等で情報収集して適切な団体で受験する事をおすすめ致します。

キャリアコンサルタントには、以下の様な受験資格がありますので注意して下さい。条件は厳しく見えますが、国家資格の中では結構緩(ゆる)い方に分類されます。

■キャリアコンサルタントの受験資格
  1. 厚生労働大臣が認定する養成講習の課程を修了した者
  2. 労働者の職業の選択、職業生活設計又は職業能力開発及び向上のいずれかに関する相談に関し3年以上の経験を有する者
  3. 技能検定キャリアコンサルティング職種の学科試験又は実技試験に合格した者
  4. 上記の項目と同等以上の能力を有する者

通常は、No.1の養成講習を受講して条件をクリアする方が多いと思います。講習は様々なスクールが開催しており、30万円程度と少々値が張ります。裏を返すと、前提となる講習を受けているので合格率が高めに出ていると言っても良いでしょう。

■出題内容
科目 概要
キャリアコンサルティングの社会的意義 社会的背景やキャリアコンサルティングの役割・活動範囲・義務等の前提知識など
キャリアコンサルティングの理論 キャリア開発に関する代表的な理論の知識及び相談者の特性理解など。
職業能力開発推進法、その他関係法令 人事管理・労務管理の知識、労働関係法令及び社会保障制度の知識、メンタルヘルスの知識など。
キャリアコンサルティングの実務 カウンセリング、グループアプローチの知識やキャリアシートの作成指導など。
キャリアコンサルタントの倫理と行動 専門機関等のネットワークの形成、キャリアコンサルタントとしての姿勢など。

社労士の試験内容との重複点としては、労働関係法令及び社会保障制度が該当すると言えます。ただ、それ以外はバリバリのコンサルティング資格だけに「人」にフォーカスした実践的知識やスキルを身につけるための内容が目白押しとなります。

キャリアコンサルタントは、ロールプレイや口頭試験もあるため、社労士の試験勉強だけでは身に付きづらい対人のコミュ力・分析力が鍛えられる試験内容となっています。

少なからずキャリアコンサルタント資格の調査をしている方は、「キャリアコンサルティング技能士」の存在にお気づきの事と思いますが、「キャリアコンサルタント」の上位資格が「キャリアコンサルティング技能士」と認識して頂ければ良いと思います。

キャリアコンサルティング技能士には等級があり、2級が「実践を積んだ熟練」、1級が「指導者を育成できる」と位置づける事が出来ます。数年の実務経験などの受験資格が必要で、難易度もグッと上昇します。

2級の取得は目指しても良いと思いますが、1級の指導者を養成する程のスキルは社労士の資格を強化するダブルライセンスの観点で言うと行き過ぎかと思います。

簿記

社労士+簿記のダブルライセンス

資格の特徴を5段階評価

  • 社労士との相性:
  • お手軽度 3級:
  • お手軽度 2級:
  • お手軽度 1級:
  • 試験内容の相性:
  • 人事・労務に加えて経理の仕事へ資格を純粋強化
  • 人気資格同士で民間企業の就職・転職に強み

会社のお金の流れが丸わかり!

簿記をダブルライセンスしていると、人事・労務の仕事に加えて経理の仕事も可能という価値を付ける事が可能です。社労士の主業務である社会保険や給与計算は、簿記が得意とする経理と関連性が深いので、組み合わせによってお互いの資格を純粋強化する事が可能です。

社労士と簿記の資格は単純に活躍の場が近いので、総務部・人事部・経理部と言った会社内の部署で頼りにされる人材となります。どこかの企業に所属して働く「勤務型社労士」として威力を発揮するダブルライセンスの側面が強く、就職・転職市場における注目度は抜群と言えるでしょう。

更に資格取得戦略の側面で言いますと、「簿記 → 社労士 → 将来的には経験を積んで独立開業」と言うステップアップがしやすいため、理想的なキャリアパスが組める点もメリットとして挙げられます。

とまあ、勤務型社労士として両者の相性はとても良さそうですが、独立開業となるとダブルライセンスのメリットはあるのだろうか?と疑問符がつくかと思います。

この点についてですが、簿記は会社のお金の流れを詳(つまび)らかにするのに特化した資格ですから、顧問契約している会社の経理の実態や金銭の流れを把握しやすくなるので、社労士としてのコンサルに深みをもたせる事が出来る点に強みを見出す事が出来るでしょう。

社労士は、企業の経理部門担当者を交えて打ち合わせをする事も多いです。人事・労務担当が経理の仕事を兼務しているケースも多いため、簿記の前提知識を持っていれば、よりコンセンサスが取りやすいと思います。

簿記の試験情報

■簿記3級の合格率
開催年度 受験者 合格者 合格率
2018年11月 88,774人 38,884人 43.80%
2018年06月 79,421人 35,189人 44.30%
2018年02月 78,243人 38,246人 48.90%
2017年11月 88,970人 35,868人 40.30%
2017年06月 80,227人 40,880人 50.90%
2017年2月 80,832人 38,289人 47.40%
■簿記2級の合格率
開催年度 受験者 合格者 合格率
2018年11月 49,516人 7,276人 14.70%
2018年06月 38,352人 5,964人 15.60%
2018年02月 48,533人 14,384人 29.60%
2017年11月 47,917人 10,171人 21.20%
2017年06月 43,767人 20,790人 47.50%
2017年02月 60,238人 15,075人 25.00%
■簿記1級の合格率
開催年度 受験者 合格者 合格率
2018年11月 7,588人 680人 9.00%
2018年6月 7,501人 1,007人 13.40%
2017年11月 8,286人 487人 5.90%
2017年6月 7,103人 626人 8.80%

簿記には全商・全経・日商と3つの開催団体がありますが、上記に記載の合格率は最も権威性が高い日本商工会議所が開催する「日商簿記」の合格率となっています。

日商簿記は、3級~1級のグレードが存在しており(※初級は割愛しています)、3級・2級は年3回開催で1級は年2回開催されていますので、学習計画が練りやすい資格ですから、チャレンジしやすい資格試験です。

3級は合格率も50%前後と安定していますので、社会人でも十分合格出来ると思います。2級は開催月によって結構ばらつきがありますが、概ね20~30%程度で推移していまおり、約半年程度の学習期間で合格水準に達するのが一般的です。

1級は10%前後の合格率ですから、行政書士・FP1級等と同一レベルの合格率となっていますので、かなりの難易度を誇っています。

■簿記3級の試験内容
試験科目 概要 配点 合格基準
商業簿記 企業経理の基礎、確定申告に利用される青色申告書類の作成スキル、小規模株式会社向けの内容。 商業簿記100点 100点満点中70点以上
■簿記2級の試験内容
試験科目 概要 配点 合格基準
商業簿記・工業簿記 財務諸表の作成、経営内容の把握。中規模会社向けの内容。 商業簿記60点+工業簿記40点(合計100点) 2科目合計70点以上
■簿記1級の試験内容
試験科目 概要 配点 合格基準
商業簿記・会計学・工業簿記・原価計算 会計基準や会社法などの法的知識及び経営分析。連結決算など大企業向けの内容。 1科目25点(4科目合計100点) 4科目合計70点以上※10点未満足切りあり

3級は個人事業主の方が持っていると重宝する資格ですから、社労士として独立開業する時には3級以上を持っていると、自分の事務所の経理を自分で面倒見る事が可能ですからおすすめです。

2級は工業簿記が試験範囲に入るので、合格率がグッと下がります。製造業の会社を相手にする場合は、工業簿記が活きるシーンも有ると思いますから、社労士とのダブルライセンスでは一旦の目標として2級合格を目指すと良いでしょう。

簿記1級は、上位互換資格である税理士・公認会計士の登竜門として取得を目指す方や、大企業を相手にする場合は視野に入れておくべきでしょう。「簿記を知っておきたい」レベルに留めて置きたい方は、1級は難易度・学習期間的に少々コスパが悪いと思います。

如何でしたでしょうか?社労士の資格にあわせてもう一つ!という資格は見つかったでしょうか。ここからは、職域を広げるダブルライセンスをランキング形式でご紹介します。

行政書士

社労士+行政書士のダブルライセンス

資格の特徴を5段階評価

  • 社労士との相性:
  • お手軽度   :
  • 試験内容の相性:
  • 会社(事業)の立ち上げに強い行政書士で顧客を囲い込み
  • 許認可に強い行政書士と人事・労務に強い社労士で職域を拡大

許認可に強い法的文書作成のプロ

行政書士は行政(官公署)に提出する書類の作成等を行う国家資格であり、古くから「代書屋」の相性で親しまれて来ました。官公署に提出する書類・権利関係あるいは、事実証明に関する書類を顧客に代わって作成するのが主な仕事です。

行政書士は飲食店の開業、建設業許可など会社立ち上げ時の許認可手続きに強みを持つ資格なので、社労士と互いの職域の重複もなく、相互補完型の資格の組み合わせと表現する事が出来るでしょう。

両者のダブルライセンスの効果的な使い方は、初動に強い行政書士で効率的に集客を行って、社労士の職域へ顧客を流す事だと言えるでしょう。

新規に事業を始める会社は、後々会社運営をしていく中で社労士に頼るシーンが出てくるわけですから、行政書士の職域で早い内から多くの顧客を囲い込んでおく訳ですね。

経営者と早い段階から面識を持つことが出来るので、信頼関係が構築しやすく社労士の顧問契約へ結びつけやすいというメリットもあるでしょう。

最近で言いますと民泊やドローン関連などがホットなジャンルとして挙げられますが、行政書士が活躍する新規ビジネスは日々生まれていますので、新規顧客の囲い込みに暇(いとま)がないと言えます。

行政書士の扱える書類は1万種類を超えるとも言われているので、対象となる顧客の範囲が広いのが特徴ですから、集客の面で非常に有利な点も強みの1つです。

更に、社労士として法的文書を作成する時には、書類作成のプロである行政書士のスキルで精度の高い文書を作成する事が可能という実務家の意見がありますので、両資格は実務的な相性も良いと言えるでしょう。

ちなみに、社会保険労務士の受験資格には「行政書士となる資格を有する者」がありますので、両者資格は試験制度の観点からも親和性があります。

行政書士の試験情報

■行政書士試験の合格率
開催年度 受験者 合格者 合格率
2016年 41,053人 4,084人 9.95%
2017年 40,449人 6,360人 15.70%
2018年 39,105人 4,968人 12.70%

行政書士試験は「1.行政書士の業務に関し必要な法令等」の50%以上、「2.行政書士の業務に関連する一般知識等」の40%以上の得点が必要な足切り制度が存在しており、更に全体の60%以上の得点が合格基準となっています。

直近の合格率は概ね10%前後で推移していますので、法律系国家資格の中では難関の位置付けになるでしょう。合格率が低い理由は足切りの存在と、出題範囲の広さと言えますので、配点ウエイトの大きい「行政法・民法」でしっかり得点を稼ぐ勉強方法がスタンダードです。

■出題形式(2018年度実績)
1.行政書士の業務に関し必要な法令等
出題形式 科目 問題数 配点
5肢択一式 基礎法学 2問 8点
憲法 5問 20点
行政法 19問 76点
民法 9問 36点
商法・会社法 5問 20点
多肢選択式 憲法 1問 8点
行政法 2問 16点
記述式 行政法 1問 20点
民法 2問 40点
小計 46問 224点
2.行政書士の業務に関連する一般知識等
出題形式 科目 問題数 配点
5肢択一式 政治・経済・社会 7問 28点
情報通信・個人情報保護 4問 16点
文章理解 3問 12点
小計 14問 56点
合計 60問 300点

行政書士は「行政法・民法」等の法律知識が問われるのに対して、社労士は「労働基準法・健康保険・社会保険」等労務・人事に係る知識が問われます。両資格では試験範囲として一般知識を問う問題でほんの少し重複する箇所がある程度ですので、同時受験をお考えの方は慎重に学習計画を練る必要があると言えます。

行政書士と社労士のダブルライセンス取得を考えると、お互いの学習内容があまり生かせないという点で確かにデメリットなのですが、社労士の実務上の話としては少し事情が異なります。

社労士資格の資格保持者が独立開業した際に、民法等の基礎的な知識不足で「行政書士を勉強した」という意見があります。行政書士では基本的な法律を学習しますので、行政書士と社労士のダブルライセンスは、法律知識を相互補完する役割も期待出来るという訳ですね。

FP(ファイナンシャルプランナー)

社労士+FP(ファイナンシャルプランナー)のダブルライセンス

資格の特徴を5段階評価

  • 社労士との相性:
  • お手軽度 3級:
  • お手軽度 2級:
  • お手軽度 1級:
  • 試験内容の相性:
  • 会社従業員の生涯設計コンサルにビジネス拡大
  • 民間保険・ライフプランニング分野にビジネス拡大

ライフプラン(生涯設計)構築・アドバイスのプロ

ファイナンシャルプランナー(FP)は、保険・年金・税金・投資・相続といったライフプランに精通したコンサル資格です。人生100年時代を迎え、近年最も注目されている資格と言って良いでしょう。

社労士とFP資格は「保険」と「年金」という大きなテーマに共通項を見出す事が出来ます。

保険と年金には「公的」「民間」の差がありますが、会社の従業員にとってはどちらも重要な問題ですし、ライフプランを考えた時は両方を加味した形での資産形成や、適切なアドバイスを受けたいと思うのが自然です。

社労士は保険や年金に対して法律・手続き・仕組みからアプローチしますので、ライフプランを意識したコンサルティングは少々不得手と言えます。対して、FPは「公的・民間」問わず全て含んだ形でライフプランを構築するのが得意です。

具体的には、FPの資格を活かして従業員への「ライフプランセミナー」や「退職準備マネープランニング」の実施と言う形で、コンサルティングを行なう事が可能となります。ですから、社労士で顧問契約あるいは付き合いのある会社の従業員一人一人がFP業務のお客様になり得る訳ですね。

終身雇用が崩壊して転職が当たり前の時代になりましたので、経営者は従業員の流出が悩ましい所だと思いますが、ライフプランの構築も福利厚生としてしっかりサポートして於けば従業員も長く勤めやすい会社になると思います。

会社の実情をよく知る社労士が従業員のライフプランの相談にも乗ってくれるとなれば、声がかかり易くなると言うものです。社労士+FPの組み合わせは、独立開業だけでなくどちらも就職市場で需要のある資格ですから、就職・転職の際にも威力を発揮します。

FPの試験情報

■FP3級の合格率(開催団体:日本FP協会)
開催年度 学科試験合格率 実技試験合格率
2016年 71.47% 81.10%
2017年 72.51% 85.54%
2018年 79.29% 88.68%
■FP2級の合格率(開催団体:日本FP協会)
開催年度 学科試験合格率 実技試験合格率
2016年 37.95% 51.73%
2017年 42.90% 56.33%
2018年 42.68% 53.22%
■FP1級の合格率(開催団体:金融財政事情研究会)
開催年度 学科試験合格率 実技試験合格率
2016年 8.61% 81.62%
2017年 12.20% 85.47%
2018年 11.38% 85.93%

上記にお示しした合格率は一部抜粋・平均して記載した物となっています。というのも、FP技能士試験は開催団体が2つあり、実技試験は複数の種類から選択して受験する事になるからです。

FPは試験制度の体系が結構ややこしいのですが、本記事では詳しくは述べません。試験を受ける方は、団体や受験する実技試験の種類を吟味するようにして下さいね。難易度的には、社労士 → FP3・2級へのチャレンジであればそれほど苦もなく合格出来ると言えます。

FP技能士試験は年複数回開催されますから大変取り組みやすい資格であると言えますが、FP1級は社労士に匹敵する高難易度となります。更に民間の認定資格としてAFP・CFPが存在しており、ライフプランのコンサルを堂々と名乗るのであれば取得推奨と言って良いでしょう。

■FP技能士試験の出題内容一覧
出題科目名 出題内容
A.ライフプランニングと資金計画 社会保険・年金・住宅ローン・住宅資金等
B.リスク管理 保険商品全般とリスク管理についての知識等
C.金融資産運用 株式・為替・債券・投資信託など、資金の運用方法等の知識
D.タックスプランニング 所得税・法人税・消費税など税金等に関する知識
E.不動産 不動産取引・法規・査定等の知識
F.相続・事業承継 贈与・相続に関する法律や税金の知識等

試験範囲の重複箇所としては「A.ライフプランニングと資金計画」に社労士・FPの共通点がありますが、お硬い法律の観点から「保険・年金」に対してアプローチする社労士とはうって変わって、FPの場合は投資の視点でアプローチを行いますので厳密には似て非なるものです。

しかし、社労士をクリアできる法律知識や実力のある方であれば、「投資」という視点で保険・年金を捉えるFPの学習を楽しむ事が出来ると思いますので、おすすめ出来ます。

FP資格だけでも独立開業出来るポテンシャルがありますから、ダブルライセンスする場合は「あれ?社労士とFPどっちが本業なんだっけ?」とならない様に注意が必要です。あくまでも社労士を軸としてFPはビジネスの幅を広げるための手段、と割り切るのが重要です。

税理士

社労士+税理士のダブルライセンス

資格の特徴を5段階評価

  • 社労士との相性:
  • お手軽度   :
  • 試験内容の相性:
  • 会社運営に日々欠かせない会計・税務・労務を一手に引き受け可能
  • 税理士と社労士で顧客の層が同一

言わずと知れた税のプロフェッショナル

■社労士の会社に関連する主な仕事
  • 給与・社会保険料の確定
  • 社会保険・雇用保険の取得喪失及び更新等
  • 社会保険の月額変更届・算定基礎届の手続き
  • 助成金の申請
  • 労働者名簿・賃金台帳の作成 など
■税理士の会社に関連する主な仕事
  • 源泉徴収票
  • 確定申告書
  • 青色申告承認申請書
  • 会計帳簿の記帳代行
  • 試算表等の財務相談
  • 財務書類の作成
  • 税務上の助言や指導

上記の通り社労士は「社会保険・労務関係」、税理士は「税金関係」の仕事に大別され職域が重なっていないのですが、会社を運営してゆく上で日常的に発生する業務である所に両者の共通点を見出すことができます。

日々発生する「社会保険」関連の業務を面倒見て欲しいと思う顧客(この場合は経営者という事になります)は、同時に「税金」関連の面倒も見て欲しいと考えるのはごく自然な事です。

しかし、年末調整を例に取ると、毎月の給与計算を社労士が行なっていても年末調整は税理士の仕事となりますから、給与の情報を税理士に持っていかないと行けないというなんともねじれた状態になってしまいます。

さらに、助成金を例に取ると申請は社労士の専門分野となります。しかし、申請にあたって必要な書類である「決算書・試算表」は税理士の仕事の範疇となっています。

1つの会社の業務にも関わらず、社労士・税理士別々に業務を依頼をしなければならないのは、正直デメリットでしかありません。余計な手間やそれぞれと契約するコストが掛かってしまうので、顧客としては窓口は一本化して欲しいと思うはずです。

この様な顧客に対して、社労士と税理士をダブルライセンスする事で、ワンストップで業務を請け負うことが可能となりますので、ニーズに沿った理想的な資格の組み合わせと言えます。

社労士+税理士として顧問契約を結ぶ事が出来たなら、定常的に仕事が発生しますので収益も非常に安定していると言えるでしょう。資格の権威性も高く集客の面でも有利ですから、魅力のある最強の組み合わせと言って良いでしょう。

税理士の試験情報

■2017年(平成29年)の合格率
科目 受験者数 合格者数 合格率
簿記論 11,941人 1,770人 14.8%
財務諸表論 8,817人 1,179人 13.4%
所得税法 1,704人 209人 12.3%
法人税法 4,681人 542人 11.6%
相続税法 3,089人 363人 11.8%
消費税法 7,859人 833人 10.6%
酒税法 546人 70人 12.8%
国税徴収法 1,703人 182人 10.7%
住民税 460人 62人 13.5%
事業税 418人 46人 11.0%
固定資産税 845人 126人 14.9%

税理士試験は1回の受験で5科目全てに合格する必要はなく、1度合格した科目は生涯有効ですので数年かけて5科目に合格するのが通例です。一発でに5科目全て合格する人はほとんどおらず、その様な方は「天才」としてニュースになる程ですから、難易度は相当高いと言えるでしょう。

税理士は年間1,000時間程度の学習時間を確保して、数年掛かりで取得する資格なので、社会人が仕事の傍らチャレンジするにはそれなりの覚悟と計画性が重要となります。

税理士試験の出題科目は「必須・選択必須・選択」と別れていますので、整理しておきます。

■税理士試験の選択科目のルール
科目 選択ルール
簿記論 必須 必ず選択
財務諸表論 必須 必ず選択
所得税法 選択必須 どちらか1科目または2科目選択必須
法人税法 選択必須
相続税法 選択
消費税法 選択 どちらか1科目のみ選択可能
酒税法 選択
国税徴収法 選択
住民税 選択 どちらか1科目のみ選択可能
事業税 選択
固定資産税 選択

社労士と税理士は試験の出題範囲的には重複がありません(※「労務・人事」と「税」は実務上は密接な関係にあるんですけどね)。社労士の学習で培った法律的な思考やアプローチは税理士試験でも活かす事は出来ますが、社労士を持っているからと言って、税理士試験に有利かと言われると疑問符が付きます。

税理士の合格を考えた場合、回り道かも知れませんが登竜門である簿記を取得してから順当に税理士へステップアップすると無理がないと思います。簿記は社労士とも相性が良い資格ですから、決して無駄にはなりません。

社労士と税理士は組み合わせとしては理想的なのですが、難易度的にダブルライセンスするにはハードルは高いため、おすすめランクは少々低めとなります。しかし、実現できれば、高い権威性と安定した収益が期待出来ます。

社労士事務所は人事・労務に関する仕事は当然のことながら、税金関係の仕事もワンストップで請け負う所が殆どです。これは、税理士と提携して税金関係の仕事は依頼を流せる体制を構築しているからです。

某資格学校の実務講座では、社労士で独立開業するならば「税理士とは仲良くしなさい!」と口酸っぱく言われる程、社労士と税理士は密接な関係にあると言えます。

社労士と相性の良い関連資格まとめ

社労士と相性の良い関連資格まとめ

王道的なものや現在のトレンド的な資格を織り交ぜてお送りしましたが、社労士と相性の良い資格は細かいものをピックアップすると、更に以下の様なダブルライセンスを考えることが出来ます。

まだまだある!社労士と相性の良い資格
  • マイナンバー実務検定
  • 個人情報保護士
  • 年金アドバイザー
  • DCプランナー
  • 司法書士
  • 衛生管理者

ダブルライセンスの本質は資格同士の相乗効果によって、スキルを伸ばしたりビジネスを拡大する事です。

「プレゼンテーション能力の不足」や「WEB集客の伸び悩み」を課題とされている方は、社労士プラスアルファのダブルライセンスを考える前に、MOS・プレ検・ビジネス文書検定など、本記事でご紹介した資格以外に視野を向けると効率が良いケースもあります。

軽々(けいけい)に難関資格に挑むのは時間や金銭的にも勿体無いので、ご自身の置かれた状況をしっかり棚卸しして、将来を見据えた効果的な取得戦略を練って頂ければと思います。

以下の記事では「社労士の年収と稼ぐ方法」というテーマで記載しています。ダブルライセンスの方向性で悩んでいる方は、是非ご一読の上、一度初心に帰って戦略を練り直してみては如何でしょうか。

社会保険労務士の年収はどの位?食えない資格なの?稼ぐ方法をズバリ徹底解説!

他資格優遇制度で安価にダブルライセンスを実現!

他資格優遇制度で安価にダブルライセンスを実現する方法

ダブルライセンスは効果的なのですが、資格の勉強をする度に資格講座を改めて受講していると費用が掛かってしまうのが頭の痛い所です。しかし、社労士の関連資格を既に持っておられる方には朗報があります。

資格講座には「ダブルライセンス割(他資格優遇)」という制度があり、行政書士・FPなどの資格を既にお持ちの方は、資格講座で割引を受ける事が可能です。

「社会保険労務士を資格講座で勉強したい」とお考えの方は、以下の記事でダブルライセンス割(他資格優遇)制度の情報をまとめていますので、資格保持者としてのメリットを活かして受講料をおさえて頂ければと思います。

ダブルライセンス割引(他資格優遇)で社労士講座を安価に受講【次の資格は社労士に決めた!】

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